転生公爵令嬢のイチオシ！
「クリスク様！少々お時間よろしいでしょうか？」

まずフレッドの元へ向かい、人払いをして状況を確認した。

「メリアのことは！ヴァリテ嬢から聞きました。学園祭でこんなっ！今すぐにでも助けに行きたいのに！！」

フレッドは悔しそうにダンッ！と机を叩く。
生徒会長として学園祭を抜けるわけにはいかない。
メリアーナのことを騒ぎ立てない為には余計に動けない。

「ダンテ様が犯人なら連れて行きたいとよくおっしゃっていたダンテ家別邸だと思われます。ストライブ様やヴァリテ様、リエッタ様も向かっていますので、気を確かにしてください」

「…ああ。すまない」

ふぅとため息をつく。

「メリアーナ様はきっと大丈夫ですわ！私はあの方を信じています！何があろうとも私達はお友達ですので！！」

前田さんなら何とか抵抗して時間を稼げるはずよ！

「……オーレル嬢」

「では、私は念の為に学園内も捜索してみます」

「お待ちください。ひとりでは危険です。クリスク家のアルトを供に付けましょう」

「ありがとうございます。ではまた後程報告にまいりますので」

キリリとした女王の如くフレッドを励まし、気品のある所作でサナエラは部屋を出た。
うしろにアルトも続いて歩く。

「あのような思いはもう嫌ですよ…」

誰にも聞こえない声でサナエラは呟いた。


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