【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
魂が抜けたみたいだ。




「言い返せるくらいには回復したみたいだな。よしよし、飯も食ってもっと元気出せ」


「……だから、腹減ってないって」


「ユウちゃん……お、俺が作ったご飯、気持ち悪い……? ご、ごめんね、こんなの食欲湧かないよね、今すぐ捨てるからっ……」


「あぁ!? いちいち捨てんなって! おい優里、哲弥が暴走してんだろうが、なんとか言え!」


「……、……」




ソファーに下ろされて膝を抱え込むと、周りでギャーギャーと騒がれた。

隣に来た(ぜん)はあたしの頭を撫でて、肩を抱いてくる。




「恋って全然キラキラしてないな……」




こんな気持ちを味わいたいわけじゃなかった。

そんな思いで呟くと、善は“俺だったらキラキラした恋をさせてあげる”と身振り手振りで言ってくる。
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