ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
両手で顔を覆って俯く私に、勇吾君は立ち上がって私の隣の席へ座り、私の肩を抱いた。

「メイメイ・・・澤乃井さんを本気で好きなんだな。」

「うん・・・。」

「そうか。よしよし。」

勇吾君の肩にもたれて、私は涙をこぼした。

「メイメイ。もし、澤乃井さんと文香さんの決定的な瞬間を目撃したら、澤乃井さんのことをきっぱり諦めることが出来るか?」

「・・・決定的な瞬間って?」

「二人がホテルの部屋へ入るところ・・・とか。」

「え・・・?」

私が顔を上げると、勇吾君が真面目な表情で私をみつめていた。

「実は・・・そのラインの文章が目に入っちゃったんだけど・・・そこに二人で会う日にちと時間、そしてホテルの名前まで書かれてたんだ。」

「・・・・・・。」

「もしメイメイさえ良ければ、当日そこへ俺と一緒に行かないか?そうすれば少なくともこんな猜疑心に悩まされずに済むだろ?」

「・・・勇吾君はそれでいいの?文香さんを諦められるの?」

「たしかに澤乃井さんが言う通り、俺と文香さんは釣り合わない。俺は文香さんが望むようなラグジュアリーな空間を演出してあげられない。本当はそんなこと、とっくに判ってた。だからメイメイは俺の心配なんてしなくていい。」

「勇吾君・・・。」

「日付は来週の土曜日。時間は夜の7時。ふたりの待ち合わせ場所は赤坂にあるAホテル。メイメイ、よく考えて決心がついたら、俺に連絡くれないか?」

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