恐怖の先に待ち受けて居るのは……


俺と悪魔の姿は、誰も分からない。

この世を去る人なら見えてるらしいが……



大きな家のとある一室。


俺は、ソイツと目があった。


「あ」

「、」

「……迎えに来てくれたの?死神さん……」

「……」

「死にたいの、死なせて?」

「……」


相当心が殺られてるな。


「目を瞑って」


悪魔は、一振。

悪を取り除いて、新しい心に入れ替える。


目が覚める頃には、前を向いているだろう。


そう、俺たちは人間の病む心を食事にしてる。


最初は、抵抗はあった。

でも、慣れた。


俺は口を大きく開け、悪魔と半分こにして食べた。


「んッう」

毎回心が張り裂けそうになる。

だが、心地がいい。


「今回も良い獲物だったな」

「そ……だな」

俺は、胸元を抑えながら言う。

もうそろそろ、限界かな……


「次の獲物を捕まえに行くぞ」

俺は、悪魔の後ろにつく。

悪魔には逆らえない。

もし、逆らったら……心事取られてしまうから。


服からチラチラと見える、黒い刺青みたいなもの。

それは、少しずつ広がっていく_______


それが、身体全体を埋め尽くされたら俺は悪魔と契約したことになり、この世を去る。


望んでいたことだが、いざこの世から居なくなるのは抵抗がある。


だけど、俺が消えても誰も悲しまない。


俺は、……この世から消えた。


「おい、久崎」

悪魔は、後ろを振り向いた。

「ふん、契約完了」


悪魔の笑い声は青空に響き渡りその悪魔もこの世から姿を消した。



最後の女の闇の力が凄かったんだろう……






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