結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
 
 そう思いながら聖が見ていると、女の子の傍にがっしりとした30代くらいの男性が駆け寄ってきて、慌てた形相で女の子を抱きあげてそのまま急ぎ足で去って行った。
「柚香(ゆずか)大丈夫か? 」
 そう言っていた男性の声で、女の子の名前が柚香なのだと聖は認識した。

 そのまま聖は愛香里の元へやって来た。

「あ…」
 愛香里の部屋にやって来た聖が目にした光景は、言葉で表すには残酷すぎる光景で心臓が止まりそうなくらいの事で…。
 それを目にした聖はショックが大きく言葉が出なかった。

「聖? お帰り」

 外出から帰って来た聖龍が歩み寄って来た。
 聖とは目元が似ている感じで、穏やかながらもキリっとした切れ長の目をしている顔立ちは、クールなイケメンタイプ。
 スラっとした長身で、一児のパパには見えないくらい若々しい。
 休みの日でラフなジーンズにポロシャツとスニーカー姿の格好をしている故に、まだ20代でも通りそうなくらいだ。

 聖は真っ青な顔をして聖龍を見た…。

「どうかしたのか? 」 

 歩み寄って来た聖龍が愛香里がいる部屋を覗くと。
「あ…愛香里! 」
 驚きの声を上げて聖龍が駆け寄って行った…。

「愛香里! どうしたんだ? 目を開けてくれ! 」
 抱きかかえ必死に声をかける聖龍に、薄らと目を開けた愛香里。
 何か聞き取れないような声で聖龍に話しているような姿を、聖はじっと見ていた。

 間もなくして聖龍の叫び声に気づいたお手伝いが駆けつけ、救急車と警察がやってきて、愛香里が刺殺された事を知らされた聖。

 あいつだ…あの柚香って女だ!
 母さんを殺して逃げて行ったんだ!
 一緒に逃げたのはきっと父親だ!

 聖はそう思った。
  
 愛香里を刺した凶器は見つからず、犯人が持ち去っていると警察は判断した。
 
 第一発見者は聖と言う事で、警察から色々聞かれたが、聖は何も見ていないと言った。
 その表情は何かを胸の奥にしまい込んで、誰にも言わないと決めているよな表情をしていたと、遠目で見ていた聖龍は言っていた。

 
 柚香…。
 俺と同じくらいの歳格好だった。

 聖は柚香について自分なりに調べ始めた。

 すると。
 近所に住んでいる河野原(こうのはら)と言う財閥の家の娘である事を知った。
 幼稚園からずっと私立に通っているお嬢様。
 父親は賢太郎(かんたろう)、母親は挿花(そうか)。
 賢太郎は銀行頭取で年収10憶以上と言われ、母親は検事だと。
 エリート一家である河野家、それ故に娘の犯罪をもみ消したのか? と、聖は子供ながらに判断していた。

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