抜けがけ禁止×王子たちの溺愛争奪戦
――”エレベーターが真っ暗な時から思ってた”けど、お前の頭アツすぎだぞ
真っ暗だった時に、私の頭の熱さを知るには――私の頭に直接触るしか、確かめようがないはず。
「え、じゃあ、エレベーターが真っ暗だった時に、私の頭をポンポンしたのって……」
楽先輩じゃなくて、声宮くんなの?
え、なんで?
あの超絶意地悪な声宮くんが、私の頭をポンポンって……想像がつかないんだけど。
「ちょっと、本当に……頭が痛くなってきた……」
赤い糸が見えた他に、非現実的な事が、あのエレベーターの中でもう一つ起こっていたなんて……。
そうか、きっと夢なんだ。
全部ぜんぶ、夢に違いない――
そう思って眠りについた私が、翌朝。信じられない光景を目にするなんて……。私はちっとも、予想出来なかった。