ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~

 食糧と水分の憂いがなくなったいま、もう気持ちを切り替えて楽しむに限る。

「ルゥはディーと一緒ならへーきだよ。ピクニックしながら、パパのこと探そ?」

「っ、そうですね。自分も姫さまさえいてくだされば、たとえ火のなか水のなか、地獄の釜のなかでさえ笑っていられる自信があります」

「それはちょっと、どうかと思うけど」

 ルイーズは苦笑いしながら、ふたたび狼の姿に変化したディオンの背中に跨る。

 温かくて頼もしい、そのもふもふな背中が、ルイーズは昔から大好きだった。

「では、行きましょうか」

「うん」

 目指すは父──大魔王グウェナエルの封印場。

 いまだゴールの見えぬ果てのない旅だが、ルイーズの心は明るく上向いていた。

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