オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
……身体が重い。

今私、どうなってるのかな。


「――ちゃん、あおいちゃん」


この声…

靄のかかった視界に、マスクを装着した誰かの姿が映る。


「もうちょっと頑張って。
絶対助けるから」

「しょ、う…」


翔太くんだ…

口元が何に覆われて、呼吸が楽になっていく。

身体がふわっと浮いてゆらゆら揺れる。

ああ、水族館の時と同じ。

翔太くんが抱き抱えてくれているんだ。

…よかった。

翔太くんがいれば、きっともう大丈夫…



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