オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
7
朝9時。インターホンが鳴る。

相手が誰だかわかっているから、モニターを見ずに廊下を駆けてドアを開けた。


「おはよう」

「おはよう。お疲れ様」


朝イチから極上スマイル。

過酷な勤務明けなのに、全く凛々しさと爽やかさを損なわないのがすごいと思う。


「お弁当ありがとう。おいしかった」

「うん、よかった」


ランチバッグを私に返した彼は、そのまま「お邪魔します」と部屋へ入ってくる。

あのとき、煙はすごかったものの3階まで火の手は回っておらず、私は火傷もなくすぐに退院できた。

だけど、翔太くんは私の体調を心配して毎日部屋に様子を見に来てくれる。

ソファに隣り合って腰を下ろし、手が触れ合うのを合図に唇が重なる。

そして温かい腕が私を包み込んだ。


「…癒されるな」

「ふふっ」


署内のシャワールームでシャワーを済ませてから帰ってくる翔太くんからは、清潔なソープの匂いがする。

その固い胸にぐりぐりと顔をこすりつけた。



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