イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
 
 大通りを走っていたせいで、ちょうど転んだのが大きな花屋の前だった。
 光琉はお店の人に目配せすると、外で水やりをしていた店員が寄ってきた。

 「大丈夫ですか?」

 「すみません。タクシー停めてもらえますか、そこの通りの前に」

 「いいですよ」

 その店員はタクシーを手招きして目の前に呼んでくれた。
 
 「光琉先生、私行かないから……」

 私が言うと、何も言わずタクシーの前に引きずっていく。

 「ねえ、せんせ……」

 「さあ、元気よく走って逃げてみろよ、紫。できるもんならな」

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