イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 「……」

 「帰ろう。細川さんも今後何かあれば大声出していいから」

 そう言い残して、部屋を出る。住田さんは何も言い返さなかった。

 ナースステーションに戻った藤野先生はそこにいる看護師達を集めると話し出した。

 「今日から非常勤で週一回くらいこちらにお世話になる藤野です。よろしくお願いします。あと、僕がいるときはこういったことはすぐに報告すること。こういう風なことのないように。自分達の職場環境を良くするのは当たり前です」

 そう言うと、眼鏡をキラリと光らせて皆を見る。
 看護師達は下を向いてしまった。
 病室からナースステーションに戻ってきた京介先生が、この雰囲気に気付いておどけた。

 「さすが、藤野先生。これからもどうぞよろしくご指導下さい」

< 62 / 311 >

この作品をシェア

pagetop