イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
2.俺の癒やし


◆◆◆


 本院から系列の東医療センターに配属されてもうすぐ二年。ここの医療センターは外科に力を入れていて、救急指定病院でもある。


 センター全体のヘッド数は500〜600床程で外科医は三十名。


 本院に来る前、俺は派遣の医者として海外で働いていた。


心臓外科の専門医になった後、MSFの海外派遣へ応募し、医療器具が十分に揃えられていない地域、医療を受けられない人たちを中心に海外で外科医として働いていた。


 色んな国の医者が一丸となって手術をする。


 オペは1日10件を超えるときもあり、寝る暇もないほどの目忙しさだったが、無事に仲間のおかげでやり遂げることができた。それに、MSFで学んだ医療技術は俺の自信にも繋がった。


 その後、本院に戻った俺はそこで一年ほど働き、症例件数の実績のために系列の東医療センターへと移動することになったのだが、本院に心外の患者を率先的に送っていたためこの病院は心外のオペ自体がとても少なかった。


 東医療センターに転属しても『久我くん、来週から二週間花丘総合病院にオペで行ってくれない?』と駆り出されることの方が多かった。


 そんな中での唯一の俺の癒しは、東医療センターで麻酔科医として働いている幸野を見ることだ。


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