紅葉踏み分け、君思ふ

荷物整理・・・ってそれどころじゃない!

そんなこんなでやっと朝ごはんが終わった。

「あ、わたし片付けるの手伝います」

「別に大丈夫ですよ。ゆっくりしていてください」

源さんにやんわり拒否されてすこしがっかりしながら自分の部屋に戻る。

(ゆっくりって言われても何しよう・・・あ!あれしよ!)

わたしは昨日端によけておいたキャリーバッグを真ん中に置く。

「っしょっと」

ドン!と大きな音を立てて開ける。

「うぅ・・・余分に荷物もってきてよかったぁ」

こっちには日焼け止めとか、電気とかがない。

(じぃちゃんの便利道具、全部セットでもってきてよかったぁ)

じぃちゃんの便利道具とは、北海道に住む妖怪、コロポックルの長老に作ってもらったドラ〇もんのような道具だ。

「取りあえず、持ち物の確認・・・」

「あれ、かえでちゃん、何してるの?」

「あ、総司さん、平助くん、一さん!何してるんですか?」

開けっ放しの襖から顔を出していたのは総司さん、平助くん、一さん。

(この三人・・・なんか異色)

腹黒そうな総司さん、元気が取り柄の平助くん、無口な一さん。

(うん。異色だね)

「いま、荷物の整理をしようかな、と・・・」

「あ、そうなのか?オレたちも混ざっていいか?」

「ん~いいですよ。でも、わたしがいい、って言うもの以外には触らないでくださいね」

「もちろん!」

「当たり前だ」

「オレ達のものじゃないしな」

三に人とも当たり前のような顔で了承してくれたのでいても別にいいだろう。

(下着とかは外から分からないだろうし)

取りあえず荷物を一回外に出してからポイポイ入れていく。

「えっと・・・三日分の服、下着、日焼け止め、お化粧グッズ、簡易加湿器、マスク、スニーカー、エコバックに・・・カイロ、ソーイングセット、お菓子、紅茶パック、お金、スマホ、パソコン・・・日記、カードゲーム、じぃちゃんの便利道具、かぁ」

(結構いろいろもって来てたんだ・・・ってかカードゲームとか一人旅にいる?)

わたしが準備し終わった後にお母さんあたりが入れたんだろう。
< 17 / 63 >

この作品をシェア

pagetop