紅葉踏み分け、君思ふ

わたしの秘密と、あなたの秘密-2-

「かえでさんが自分のことを話してくれましたし、私も自分のことを話しましょうか」

「え?」

なんの脈絡もなく山南が呟いたのはやっとわたしが泣き止んでいつの間にか一さんが持ってきていたお饅頭を食べていた時。

「かえでさんも疑問に思っていたのでは?あの日、急に来た・・・」

「あ!明里さん⁉︎」

そういえばそうだったわ。あのあといろあってすっかり意識の外にいた。ごめんね明里さん。

「明里さんって、あんなに武術得意だったんですか?わたしの知ってる明里さんは・・・」

山南さんの恋人、という言葉を飲み込む。これは第三者が言っていいことじゃないような気がする。

「・・・島原で遊女として働いていた、っていう印象なんですけど」

「えっとですね・・・どう説明すればいいんでしょう・・・?」

珍しく山南さんが言葉を濁す。

「普通にかえでに見せればいいんじゃないか?」

そう言った新八ちゃん。その言葉に頷く左之さんと平助くん。

「・・・はぁ、やっぱりそうなりますよね・・・えっと、じゃあかえでさん、ちょっと下がっていてくださいね」

わたしが土方さんの隣に移動するのを見た山南さんが取り出したのは掌ほどの、人の形に切った大きさの紙。

(ん?あれ何?)

そんなわたしの疑問を他所に、彼はぶつぶつと何かを唱えた後、「はっ!」という掛け声と共に持っていた人型の紙を投げる。

「え⁉︎」

「かえでさんが自分のことを話してくれましたし、私も自分のことを話しましょうか」

「え?」

なんの脈絡もなく山南が呟いたのはやっとわたしが泣き止んでいつの間にか一さんが持ってきていたお饅頭を食べていた時。

「かえでさんも疑問に思っていたのでは?あの日、急に来た・・・」

「あ!明里さん⁉︎」

そういえばそうだったわ。あのあといろあってすっかり意識の外にいた。ごめんね明里さん。

「明里さんって、あんなに武術得意だったんですか?わたしの知ってる明里さんは・・・」

山南さんの恋人、という言葉を飲み込む。これは第三者が言っていいことじゃないような気がする。

「・・・島原で遊女として働いていた、っていう印象なんですけど」

「えっとですね・・・どう説明すればいいんでしょう・・・?」

珍しく山南さんが言葉を濁す。

「普通にかえでに見せればいいんじゃないか?」

そう言った新八ちゃん。その言葉に頷く左之さんと平助くん。

「・・・はぁ、やっぱりそうなりますよね・・・えっと、じゃあかえでさん、ちょっと下がっていてくださいね」

わたしが土方さんの隣に移動するのを見た山南さんが取り出したのは掌ほどの、人の形に切った大きさの紙。

(ん?あれ何?)

そんなわたしの疑問を他所に、彼はぶつぶつと何かを唱えた後、「はっ!」という掛け声と共に持っていた人型の紙を投げる。

「え⁉︎」

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