紅葉踏み分け、君思ふ

タイムスリップってマジですか?

ーーーめんーーーーー

(誰?)

ーーーごめーーー

(何?何を謝ってるの・・・?)


「っは!」

パチ、と目が覚めた。

「あれ?ここどこ・・・?確か、穴に落ちて?」

体を起こして周りを見わたす。

(あ、夜だ)

どうりで暗いわけだ。

(それと・・・ここ、森?)

とりあえず歩いてみるか。

日傘を片付けてから近くに落ちていたキャリーケースを持つ。

(えっと、今どこ・・・って、あ!!)

「ヤバい、ホテルのチェックインの時間逃した!」

どうしよう。今日、野宿かぁ・・・

ガッカリしながら歩いていると急に視界がひらけた。

「えっと、ここって・・・壬生寺?」

思っていたよりも近い場所でビックリしてしまう。

しばらく呆然としているとふと誰かの気配を感じた。

わたしは小さい頃からお兄ちゃんや月夜と一緒に剣道を習ってきた。

それに加えて小さい頃わたし達の血を求めて結構襲撃とかが合ったから気配は鋭い方。

「わたしの後ろにいる人、誰?」

視線を動かさないまま聞くと後ろの気配が驚いたようの揺れる。

「え?気配隠してたのに、なんで?」

わたしの予想よりもずっと高い声にビックリして慌てて振り返る。

(うわっイケメン・・・!)

黒い髪をポニーテルにしている男性だ。黒曜石の色の目はハッキリと嫌疑の表情を浮かべていた。

(それに、なんで和服?)

「ねぇ、君誰?」

「え?わたし?えっと、本宮かえで、です」

思わず返事をしてしまった。

(あれ?わたしこれ返事する必要合った?)
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