クールで一途な後輩くんと同居してみた
💙ラーメンデート



「スイくん、ちょっと部屋の掃除させてもらってもいいかな」



 休日のお昼頃。ノックをして入ってきたのはおばさんだった。


 俺は宿題を進めていた手を止めて招き入れる。



「そろそろ本棚、整理しないとと思ってね」



 あぁ。本棚の手入れをしていたのはおばさんだったのか。


 今までのことを振り返ってみれば、確かに緋織先輩ではなさそうな雰囲気はある。


 彼女が自分の父親の話をしているときは、少しそっけなくて冷たい印象だったから。


 あまり好意的に思っていないのかもしれないと、微かに感じ取ってはいた。



「見られたくないものがあるなら今の内に隠しといてね」

「な、ないですよそんなの」

「そう? なら安心」



 おばさんは本棚の上からホコリを落とし始める。


 俺の座るイスはその真後ろ。背中合わせで二人きり。


 少し緊張する。



「もうすぐ緋織も帰ってくるでしょ? 二人でお昼食べに行ったら?」



 緋織先輩は運動部の練習に借り出されている。


 そろそろ大会が始まる季節だから、さらなる力を付けるために彼女が必要なのだろう。

 

「三人で行きませんか?」

「私はいいわ。邪魔だしね」

「そんなことないです」

「邪魔なのは二人の方だったりして」

「え?」

「ふふ」



 冗談……じゃないよな、この感じ。


 笑ってごまかされたけど。



「じゃあ食事デート……してきます」

「うん、そうしといて」

「……」

「……」



 沈黙が訪れる。



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