見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
ホテルに着くまでタクシーで寝てた乃愛。
俺に寄りかかってくれんのが嬉しくて、何度もキスしそうになった。



ホテルの部屋に入ると、ベッドに突っ伏しながら言う。

「……ふぅ、お湯に浸かりたい…」


「お疲れ、乃愛。飛行機の移動と料理と疲れたよな。あと…ルークの事も気に掛けてくれてありがとな」

「ううん、ルークさんと私は同じ立場だしね」

「ん、ルークは不安そうだったもんな」

「……私もだよ」
むくりと起き上がり、乃愛がゆっくりとベッドの上に座った。

「え?」

「私も……初めて伊織と公佳さんが普通に話してるの見たから…」

「………」


乃愛が少し俯いて話す。

「食器片付けてる時とか…何となく…結婚してた頃はこんな感じで仲良かったんだろうな…とか思っちゃって、不安ていうか…嫉妬っていうか…心がギュッてしてた…」

「乃愛……」


「だから…一緒にお風呂入りたいな」

いい?と上目使いで不安げに聞く乃愛がたまらなく愛しくて…強く、優しく、抱き締めた。

「ごめんな……」

「何で謝るの?伊織は悪くないでしょ?公佳さんと夫婦だったのは事実だし。それとも…公佳さんとよりを戻したくなったの?」

「アホっ!そんなんあるわけないだろ!俺は乃愛だけなんだから!…公佳とは、お互いに大事な人がいるから、あんな風に話せたんだよ」

「そっか、よかった…」

「それがさ、よくないんだよ…別の意味で…」

「え…何?何かあったの?」

「公佳が俺の敵になった」

「へ?」

「公佳……乃愛と温泉行きたいってよ……まぁ風呂に浸かりながら話すよ……はぁ…」


俺は乃愛に〝公佳に気を付けろ〞という意味で伝えたつもりなんだけど、乃愛は「それって公佳さんと女二人旅?えー、楽しそう!」って乗り気になってしまった。

違う、そうじゃ、そうじゃない……

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