爽やか系イケメンの本気。



「あ、あとね……私友達、できた」


そういえば、と思ってそう言うと南朋の動きがピタッと止まる。
……え?
なんだろうと思って南朋を見ると、


「……よかったなあ、美桜」


嬉しそうに笑って、でもどこか泣きそうな顔をしている。
……私が友達なんて言葉を出したのは、初めてだからかな。


「美桜が、変わり始めてて俺嬉しい」

「変わる……?」


私、なにか変わってる……?
すると南朋は私に飛びついてくるから、受け止めようと少しバランスを崩す。


「成長してるってことだよ」

「…成長?」

「うん。美桜、その友達のこと大事にしてね」


ギューッと強い力で私を抱きしめる南朋に、なんだか泣きそうになって。
……心配、かけてたんだなあ。と実感する。


「…ありがとう、南朋」


私もぎゅっと抱きしめ返した。



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「おはよう宇原さん」


次の日の朝、教室に入ると珍しく私より先に来ていた柚希くんが1番に声をかけてくれる。



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