【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第78話
せっかく家族を連れて大船渡《じもと》へUターンをしたのに、T田さんは殺人未遂・殺人事件をおかしてケーサツに逮捕された。

妹さんが殺された事件などで、T田さんは気持ちがわだかまっていた。

吉浜さんがケーサツに対して『ワシが言いすぎたことが原因だった…T田さんをシャクホウしてくれ…』と言うてジキソした。

ケーサツはT田さんをシャクホウした。

事件は、T田さんと吉浜さんがあくしゅして仲直りで終わり…

こんなだらけた形で事件を終わりにするなんて、どうかしてるわよ…

その日の夜のことであった。

T田さんは、JR大船渡駅の裏手にある居酒屋さんにいた。

T田さんは、カウンターの席で酒をのんでいた。

そんな時であった。

ちづるが店にやって来た。

ちづるは、ひどく落ち込んでいるT田さんをなぐさめた。

それから1時間後であった。

T田さんは、ちづると一緒に居酒屋を出たあと大船渡プラザホテルへ向かった。

深刻な事件は、深夜11時10分頃に発生した。

T田さんとちづるの前に、出刃包丁を持っためいこがふたりの前に現れた。

「めっ、めいこ…」
「やっと見つけたわよ…T田…6ヶ月前のセクハラが原因でアタシは妊娠したのよ!!どうしてくれるのよ!?」
「やめろ!!やめてくれ!!」
「T田!!」
「ワアー、たっ助けてくれ…助けてくれ…命だけは助けてくれ…」

めいこは、出刃包丁をふりまわしてT田さんに襲いかかろうとした。

T田さんは、ちづるを置いて大通りへ逃げた。

その時であった。

(キーッ!!ドスーン!!)

T田さんは、飲酒運転のドライバーが乗っている乗用車にはねられた。

こともあろうに、飲酒運転の事故を起こしたドライバーはあいつだった。

あいつは、T田さんを車に乗せた後、陸前高田市との境目の森林へ行った。

陸前高田市との境目にある森林にて…

あいつは、苦しんでいるT田さんをサバイバルナイフで刺して殺した。

その後、あいつはT田さんの遺体を車に積んだあと車を大破させた。

翌朝のことであった。

ところ変わって、アタシが暮らしているマンスリーアパートにて…

ピンク色のブラジャー・ショーツ姿のアタシは、缶ビールをのみながらGyaO(ギャオ・スマホの動画配信サイト)で配信されている韓流ドラマを見ていた。

そんな時であった。

アタシのスマホに嫂《おねえ》から電話がかかってきた。

「(不機嫌な声で)もしもし…何よあんたは一体…あいつが交通事故で死のうがサツにパクられようがヤクザの拳銃《チャカ》でどたまぶち抜かれようが知らないわよ!!アタシは、あんた方の家とはゼツエンしたのよ!!はぐいたらしいわね!!アタシはコンリンザイ仲直りしないわよ!!分かってないのはあんたの方よ!!宇宙飛行士の仕事で成功したからと言うて調子にのるんじゃないわよ!!」

(ガチャーン!!)

スマホをテーブルの上に置いたアタシは、のみかけの缶ビールをごくごくとのみほした。

その後、右手で髪の毛を思い切りかきむしった。

髪の毛を思い切りかきむしった後、アタシはピンク色のブラジャーを思い切り引きちぎった。

そして、ふとんの上でバタバタと暴れた。

けれど、むなしくなって泣いた。

何なのよ一体…

あいつはなに考えているのよ…

めいこは、あいつが妊娠させたとばかり思っていたけど…

T田のセクハラが原因だったとは…

キーッ!!

何なのよ一体!!

もうだめ!!

あいつの家の親類縁者たちは、一人ずつ血の池地獄へ墜《お》として焼き殺してやる!!

アタシは、あいつらに対する怒りのレベルをさらに10段階上げた。

アタシは、あいつらに対するうらみつらみを全部晴らすまで徹底的に戦うわよ!!
< 78 / 95 >

この作品をシェア

pagetop