【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第86話
その日の夜8時過ぎのことであった。

アタシはセブンイレブンで夜のバイトをしていた。

その時に、めんどいもめごとが発生した。

義兄《おにい》が亡くなった時に下りる生保の受取人が知らない女性の名前になっていた…

1億8000万円の保険金が全額もって行かれた…

ものすごく困っている…助けてほしいと言うことであった。

アタシがバイト中に、義父が弁護士さんと一緒に店に突然やって来た。

義父がアタシに言いがかりをつけてきた。

だからアタシは、思い切りブチ切れた。

アタシは、新しく来たお弁当を陳列ケースに並べながら義父に言うた。

「あんたね!!アタシは思い切りブチ切れているのよ!!弁護士をつれてくるなんて汚いわよ!!アタシはコンリンザイあいつとは仲直りしないわよ!!帰ってよ!!帰ってよと言うたら帰ってよ!!」
「こずえさん、ワシらは困っているのだよ…」
「イヤと言うたらイヤよ!!弁護士をつれてくるなんてやり方が汚いわよ!!」
「弁護士さんは、ジダンコウショウをするために必要だから呼んだのよ…」
「帰ってよ!!」
「困ったな〜」

義父は、ものすごく困った表情で弁護士さんに頼んだ。

弁護士さんは、義父に代わっておだやかな声でアタシに言うた。

「お忙しい時にもうしわけございません…私は弁護士のY部と申します…」
「帰んなさいよ!!アタシはあんたみたいなヤクの相手をしているヒマはないのよ!!」
「お気持ちはわかりますが…すみませんけれど…しばらくの間だけでもいいので…お仕事の手を…」
「アタシの仕事の手を止めて何がしたいのよ!?」
「何がしたいって…私どもは…」
「はぐいたらしいわねクソッタレのインテリ弁護士!!」
「ぼくのどこがインテリなのですか!?」
「そうやってすぐに頭カッとなって、女に暴力をふるうのね!!あんたどこの大学出身よ!?」
「どこだっていいでしょ!!」
「あんたね!!法務関係の大学をトップで卒業したと言うのであれば、日本国憲法の第1条の文章を言いなさいよ!!」
「えっ…第1条を…えーと…第1条は…天皇陛下は…天下の…」
「ゼンゼンダメね…それは明治憲法の第1条でしょ…」
「どっちだっていいじゃないですか!!」
「何なのかしらあんたは!!もう怒ったわよ!!帰ってよ!!アタシが言うた言葉が聞こえないのね!!」

思い切りブチ切れたアタシは、古い方のお弁当を弁護士さんに投げつけた。

その後、よりし烈な力で弁護士さんと義父に殴るけるの暴行を加えた。

何なのよ一体!!

アタシを悪者にするだけ悪者にしたからやっつけてやる!!

がまんの限界が来たアタシは、あいつらの家とつばきちゃんに対するうらみつらみをより一層高めた。
< 86 / 95 >

この作品をシェア

pagetop