クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


キスされると思って、思わず目を瞑ったら、ぐにっと頬をつねられた。


「な、なんれっ」

「あははっ」

「なんで笑うの!?」


もしかして、ものすごい変顔してたとか!?
またまた私の顔はボボボッと火がつく。


「もう降りる!」

「ごめんごめん」

「離して〜〜」

「ごめんね、咲玖」


降りるどころか、がっちりホールドされて身動きが取れない。
子どもをあやすみたいに、ポンポンと頭を撫でられた。


「だってかわいいから」


かわいいって言えばなんでも許されると思ってない……?


「機嫌直してよ」

「〜〜っ」


いつもいつも、私ばっかりドキドキさせられて。
ずるいし、悔しいよ……。

たまには反撃したくなって、首元に腕を回して私からキスした。


「……これで許す」

「――咲玖、そんなのどこで覚えたの?」

「えっ……んっ」


結局ドキドキさせるどころか、焚き付けることになってしまい、もっと深くて濃厚なキスを浴びせられ続けてヘロヘロにされてしまった。


「もうむり……っ」

「よしよし」


キスだけでこんな風になっちゃうんだから、キス以上のことをしたらどうなっちゃうんだろう……?

多分私がこんなだから、蒼永は待つって言ってくれるんだ。
嬉しいよ、嬉しいけど、私ももっと蒼永に近づきたい。

だから、もう少しだけ待っててね――……


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