愛が芽生える刻 ~リラの花のおまじない~
おぉーという歓声とともにお披露目された彫像は、
ヨーゼフに生き写しだった。
彼の肩には「知性」を象徴するフクロウが、
そして足元には「繁栄」を象徴するウサギの像がある。

「個人の意向を聞き入れて職人に作らせたんだ。気に入ってもらえたかな。」
ユリウスがエルマーに声をかける。
「はい、陛下。我が一族にこのような栄誉をありがとうございます。」

祖父の遺した功績に恥じない人生を送らなければと、この日エルマーは決意した。
もう無意味に遊ぶのは辞めよう。
シュトラウス公爵家を率いるに相応しい男にならなければ。
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