超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「いや、ごめんなさい。やっぱり学校に行きません。訂正します」


急いで取り下げた私だけど、桂木くんは「一花さんが出てくるまでずっとピンポン押しますね」と言うもんだから、行かざるを得ない。何でこの人、不審者として捕まらないんだろう……。


「委員長だからって、そこまでしなくていいよ。下着も……私が早合点で買った事だから」

「いえ、違うんです」

「?」


何が?と思っていると、桂木くんは急に回れ右をして、去って行こうとする。え?帰るの?


「ちょ、ま!桂木くん!何が違うのー!?」


だけど私の声は、静かな住宅街に木霊するばかり。

結局、明日は桂木くんが来るのか来ないのか――

そんなどうでもいい事が気になった私は、ほぼ眠れないまま。次の日の朝を迎えることになる。

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