超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
『じゃあね~』


「会社を休む」とまで言っていたお母さんは、私の背中をポンと叩き、結局――いつも通り出社してしまった。不登校だった娘の、新しい一歩だというのに。

いつも通り過ぎるお母さんに「呆気ない……」と思って、少し落ち込んでいた私。

だけど、

ガチャ

お母さんは、閉めたドアを再び開けて、戻って来た。目に涙をためて。そして静かに、ギュッと私を抱きしめる。


『お母さん……?』

『よく決心したね、一花。一歩ずつでいいんだよ。一花の行ける所まで、少しずつ。ね?』

『……うん。ありがとう』


お母さんは何だかんだ言って、こうやって私の頑張りを知って、認めて褒めてくれる。だから私も、それに応えたいって思えるんだ。

そう。だから、いくら桂木くんと登校することになったとしても……逃げずに、やりきるんだ、私!!





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