転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

「お帰りなさいませ。お嬢様」

僕とルイはご帰宅(来店)したお嬢様達にお辞儀をしてニコリと微笑んだ。

「ルイ様とルカ様よっ!」

「きゃああ!」

「お外は暑くなかったですか?本日は新鮮なフルーツを使用した冷たいお飲み物もご用意しております」

ドラマの執事役も上手だったルイ、難なくお席までエスコートしている。

僕だってクスフォード家のベテラン執事マシューの仕事を見て勉強したし、できるはず!

「あ、あの…お似合いでございますね、ルカ様……」

お嬢様に派手な燕尾服を誉めて貰えた!

「ありがとうございます。ですが、お嬢様のその淡い黄色のドレス、とてもお似合いでございます。まるで初夏に咲くお花のようでございますね」

僕はさっき見たお屋敷(お店)の外に咲いていたお花を思い出しながら、お嬢様の手荷物を預かる。

「ルカ様……」

アフタヌーンティーセットの注文を受けて席を離れた僕はふと、接客中のジェイク様を見た。

「まぁ!とても種類があるのですね。迷ってしまいますわ。おまかせしてもよろしいでしょうか」

「もちろんでございます。お嬢様のお好みの甘さのあるものでしたらこちらが、あと、花の香りが楽しめるものがこちら……」

ジェイク様は紅茶愛が溢れる笑顔でメニューの中から説明している。
普段はあまり笑わない人なのに。
お嬢様の目が釘付けだ。

「ジェイク様の微笑み!素敵…!」

そして、ノア様が接客しているテーブルの近くを通り過ぎる。

「え?僕がいるからですか?」

「はい!私達、このお話を聞いてすぐに予約をいたしました!」

「お嬢様、嬉しいです。ありがとうございます」

ニコッと微笑むノア様はまさに天使!!

「ッ!!」

「ノア様!可愛い…ッ!!」

お嬢様方、皆震えて喜んでいるね。
…僕達にはノア様はあんな風に笑ってくれないなぁ。



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