転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
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楽屋にいると、澪音がノックをして入ってきた。

「おう。お疲れー」

「……澪音、最近僕達によく他の曲をリクエストしてたから何かありそうだなとは思ってたけど、練習させてたんだね」

ルイがジロリと澪音を睨む。

「まぁ、そうだけど、おまえらの曲を聴きたいからってのも本当の理由だぜ。音楽祭の発表の時間は延長させるつもりだったけどよ、どのくらい時間がもらえるかは分かんねぇしな」

クックと笑いながら説明している。

「それに、俺はおまえらみたいに毎日が音楽と一緒なわけじゃねぇからな。久し振りに音楽を楽しませてもらったぜ」

「まったく。でも僕達も楽しかったよ」

「うん!澪音、ありがとう!」

3人で話をしていたら、またノックの音がした。
扉を開けると玲お兄ちゃん達が来てくれていた。

「あっ!玲お兄ちゃん!」

「お疲れさま。流石『クスフォードツインズ』だね。圧巻のステージだった!差し入れ持ってきたからあとで皆でどうぞ」

たくさんの和菓子の差し入れをもらった!

「わぁ!こんなにありがとう!」

「琉生君、琉翔君!とっても格好良かったよ!その衣装もお似合いだわ!」

「そうそう!完璧に『ツインズ』だったわ!」

メリアーナ様とリエッタ様も嬉しい声を掛けてくれた。
そして、もうひとり一緒にいたメリアーナ様のお友達のサナエラ様とご挨拶をしたあと、その人は澪音の近くに駆け寄った。

「あの!あなた様はロックミュージシャンの澪音様ではないでしょうか!?」

「俺?よく分かったな」

澪音が目を丸くして驚いている。

「まさかここでお逢いできるなんて!大ファンです!澪音様!!」

涙を流しながら澪音を見ているメリアーナ様のお友達。

「前世の頃、澪音の大ファンだったのよ。私達も一緒にコンサートに行ったりしていたわ」

「さっきもずっと泣いてたよね…」

メリアーナ様とリエッタ様がフフフと笑いながら教えてくれた。

「そうだったんですね」

澪音の音楽の魅力を語っているメリアーナ様のお友達に、澪音は「応援してくれてたんだな、ありがとな」とお礼を言っている。

「じゃあ、忙しいだろうから、私達はそろそろ失礼するよ。またね」

「帰るから泣き止んでください!そんなに泣いていたらあなたの旦那様が心配しますよ!」

リエッタ様が泣いているお友達の手を繋いで引っ張っている。

「今日は来てくれてありがとうございました!」

ルイと一緒に皆にお礼を伝えると、玲お兄ちゃん達は手を振ってくれた。



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