転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
それぞれの夢に

「どうしてなんだ……」

ルイがソファーで項垂れて落ち込んでいる。

「僕の愛しいシェイラが……」

昨日は学園のダンスパーティーで仲睦まじくしていたのに。

「シェイラも隣国に行くってどういうことなんだよッ!!」

ガバッと起き上がって叫んでいる。

「ルカ!聞いてる!?」

「うん。聞いてるよ。シェイラも隣国で植物の勉強がしたいから留学することにしたんだよね?」

「そう!そうなんだよッ!!なんでッ!?」

「アリストロ伯爵が隣国から珍しい植物を取り寄せてから、隣国の植物を勉強したくなったんだよね?」

「そう!そうなんだよ……。アリストロ伯爵が……伯爵が…取り寄せた植物が……」

パタリとソファーに倒れ込んだ。

「そして娘がふたり共、留学するならアリストロ伯爵家一家でしばらく隣国で暮らすことにしたんだよね」

家族皆で引越しするならクレアも心強いだろうと僕は少しホッとした。
でもルイはシェイラの留学の話をいきなり聞いたから、かなりショックを受けている。
僕はこの夏から心の準備ができていたけど、ルイはショックが大きいよね。

「流石シェイラだね……」

急に決めたそうだ。

「……そうなんだよ。それがシェイラなんだよ。僕の可愛い子猫ちゃんは…そんなところも魅力的だよ…」

ソファーにうつ伏せになった再起不能状態のルイ。
僕はルイの側に座り、ルイの肩をポンと叩いて励ます。

「僕と一緒に待っていようね、お兄ちゃん」

「……こんなことまで双子らしくお揃いじゃなくていいんだけど」

「まぁ、そうだね」

今度は頭を撫でてあげた。




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