転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
レッスン室の扉を開けて、息を整えて中央に立つ。
『ツインズ』の僕達のいつもの立ち位置で並んだ。
目の前には大きな鏡。
僕達は目を閉じて思い出す。

大きくて広い会場に、眩しいスポットライト!
会場を埋め尽くすたくさんの人々。
鳴り響く歓声!ファンの皆の大きな声援!
ペンライトやうちわを持って応援してくれている。
子猫ちゃん達のとっても楽しそうな笑顔!

目を開き、スッと僕達は左右対象でポーズをとる。
ルイは左手を胸に、僕は右手を胸の前に当てる。
もう片方の腕は斜め下に広げる。
いつも僕達が歌う前にするポーズだ!

僕達の頭の中に曲が流れる。
歌いながらステップを踏んでダンス!
そう、これが『クスフォードツインズ』!

心と体が喜んでいるのが分かる……!!

楽しい!
久しぶりに全力で歌って踊る!!

ルイと笑顔で踊り、この感覚が懐かしい!
何曲分踊っただろう?
でも体が勝手に動くね、ルイ!

僕が足を怪我しちゃった時は、僕はピアノを弾くことになって、琉生がふたり分のダンスをカバーしてくれた。
歌はもちろんふたりで歌ったけど、ダンスパートが増えたから大変だったよね。
でもあの時の琉生めちゃくちゃ格好良かった!!

レッスン室に置いてあるピアノに僕は走り、ピアノを弾き始めた。
アレンジをしながらピアノを弾き、笑顔で歌う!
ルイもアレンジしながらダンスする!

本当に懐かしいね!

でもどうして?
胸が熱くなって…。
楽しいのにまた涙が流れる…。

そしてダンスは終わる…。

遠い、遠い異世界で、あの頃を想う。

そんな小さな『クスフォードツインズ』の復活だった。



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