転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
ルカの覚悟

この季節はいつも大事なイベントがある。
クレアのお誕生日だ!!
今年のプレゼントはどうしよう。
クレアに喜んでもらいたくて悩み過ぎて決まらない!

「うーん」

自分の部屋のソファーに座り、目を閉じて顎に手を添えて考えている。

「僕のクレアだって意味を込めてアクセサリーを渡したいとも思うんだけど……」

「いいんじゃない?」

パチッと目を開いて声の主を見る。

「あれ?ルイ!いつからいたの?」

「何回もノックしたよ」

「ごめん。気づかなかったよ」

僕はカァッと赤くなった。

「フフフ。ルカがいつも悩む時期だよね。アクセサリーって何を?」

ルイはポスンッと僕の隣に座る。

「ネックレスとか…。でも友達からそんなの渡されても困るよね」

僕はコテンとルイの肩に頭を乗せる。

「ルカなら大丈夫だと思うよ。それにアクセサリーって女の子が好きなものでしょ?」

「女の子が好きなもの……」

クレアに似合いそうなものを探して王都のアクセサリーショップを覗いた時に、綺麗なネックレスを見つけたんだよね。
クレアの好きな青い色のネックレス。
あと、僕の独占欲を示してるんだけど…。

「デートでもしてくれば?」

僕はバッとルイの肩から頭を離して大声を出す!

「デート!?」

ルイは耳を手で押さえて僕を見る。

「そ、そんなに驚かなくていいでしょ。授業サボってデートしたんでしょ?」

「それとはちょっと違うような……」

このあいだのは幼馴染み同士で遊びに行ったようなものだし。
僕はデートみたいだなって思ったけど。

「僕だってシェイラとデートしてるよ。クレアの誕生日当日は学園も休みでアリストロ家でパーティーだけど、前日も学園は休みだしデートしたら?」

「デート……」

前世でもデートなんてしたことないのに。
というか、付き合った人もいない……。
アイドルになる前は奥手過ぎて、アイドルになってからは忙し過ぎて恋愛どころではなかった。

そんな僕にクレアをデートに誘うなんてできるの!?

「でもクレアはデートなんてしたくないんじゃ……?」

クッションを抱えて落ち込む。

「そんなことないと思うよ。……僕達は幼馴染だし!」

「そ、そうだよね!幼馴染み!」

クッションから頭を上げてルイを見る。
友達より近いところにいるよね?

「それに、子供の頃にダブルデートだってしたでしょ?」

「う、うん。でもデートってどこに行くの?前世なら水族館とか映画館とかテーマパークとかいろいろあるけどさ」

「そうだね。僕達の年齢で行けるところだから近場かな。でもクレアはどこでも喜んでくれると思うよ」

「う、うん」

「まずは誘うところから頑張ってね!」

ポンと僕の肩を叩いて部屋を出て行った。

僕はクッションを抱えたままソファーにコテンと横になり、ポツリと呟く。

「ドキドキする……」

クレアがデートの誘いを受けてくれたら僕は…。
ある決心をした。



< 89 / 187 >

この作品をシェア

pagetop