愛人家

 わたしは空腹で目を覚ました。体を起こすと手足やお腹に痛みがはしり、思わず呻く。黄ばんだシャツから見えるガリガリに痩せ細った手足にはいくつもの青痣が出来ていた。周囲を見ると散乱した衣服とゴミがあるボロアパートだった。そうだ、ここはわたしの家だ。両親と暮らしていたあの家。今までのは全て夢だったのかな?
 宇宙人がパパになるなんて夢に決まっている。でも、もう少しあの場所に居たかった。

「パパ…」

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