愛人家
 ハッとその声に反応すると、パパが優しく頭を撫でていた。辺りを見ると綺麗な部屋にふかふかの布団、孤児院で使っていたパジャマを着ていた。

「パパ…?」
「うなされていたから起こしたんだ。恐い夢でも見たの?」
「うん。前の家の夢を見たの」
「…そうか。もうそんな事は起こらないから、ゆっくりおやすみ」
「うん、おやすみなさい」

 パパが毛布をかけ直し、あやすように手を置く。そのリズムに再び眠気に襲われたわたしは深い眠りに落ちていった。
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