愛人家
 パパはその場で跪いてわたしと視線を合わせる。右手をゆっくり差し出して、わたしに向かって微笑んだ。

「パパが他の人に目移りして迷子にならないように、手を繋いで見張って欲しいんだ。……いいかな?」
「……分かった」

 今度は両親の姿は出てこなかったので、素直にパパの手を握った。
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