聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

それにしてもあーちゃん、紫呉さんたちのことになるとよく喋る気がする。



「そうだよ…!昨日だって、私がいるのにほとんどお姉ちゃんしか見てなかったもん」



「そんなことないと思うけど…」



「ちょっと、さっきからなんでそんな自信なさげなの?」



うぅ…あーちゃんが怖いっ…。



私の煮え切らない態度に嫌気がさしたのか、どんどん攻めてくるあーちゃん。



朝ということもあり、この時間帯はどうしてもこうなってしまうらしい。



あーちゃんの中学校までは家から15分程度で着くし方向も一緒だから、時間が合わない日以外はこうして登校しているのですが…。



「…まぁいいや。今度紫呉さんと会う時は教えてよね!それじゃ、ばいばーい!」



「えっ?あ、うん…!行ってらっしゃい…!」



あーちゃんがここで曲がることを忘れていた私は、適当に返事をしてしまって後悔した。
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