聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「…本当に大丈夫そうですね。ですが、無理はして欲しくないので今日はもう帰りましょうか。もちろん、送らせてくださいね?」



安心したように一息ついたあと、私を椅子に座らせてくれて顔をほころばせた。



「翠はやっぱり、笑顔が一番似合う。明日も翠の笑った顔を、俺に見せてください」



私をどこまでも気遣ってくれる紫呉さんの温かさが、胸の奥に染み込んでくるようで。



「…っ、紫呉さんは優しすぎます…」



「翠限定です」



身体全体に行き渡る頃には、甘さに変わってじわりじわりと熱が込み上げてきた。



わ、私限定って……。



「っ〜!!」



恥ずかしいのに、とても心地よいこの時間がずっと続けばいいと…心から願った。
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