聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

放課後デートのお約束


「おはようございます。よく寝れましたか?」



「お、おはようございます…っ!ちゃんと七時間寝れました…!」



「ふっ、それなら大丈夫ですね。なら行きましょうか」



「はいっ」



朝日に照らされた紫呉さんはなんだか新鮮で、いつもより爽やかに見える。



色々あった昨日から次の日へと日をまたぎ、約束通り紫呉さんが私の家までわざわざ迎えに来てくれた。



紫呉さんの家から私の家まで来るだけで二十分はかかるのに、そこからまた紫呉さんは自分の高校まで行かないといけない。



それって結構疲れるし、絶対大変だよね…?



「すみません、遠回り…ですよね。紫呉さんの高校と真反対なのに…」



朝から紫呉さんに会えてとってもとっても嬉しいけれど、申し訳ないと思う気持ちが勝ってしまう。



「なにを今さら…俺が翠との時間を一分一秒でも長くしたくてやってるってこと、忘れてるでしょう?翠が謝る必要なんてさらさらないんですから、気にしないでください」



でも、紫呉さんは特に気にしていない様子で私の手を取りそう言った。
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