Cherry Blossoms〜感情より大切なもの〜
桜士は申し訳なさそうに俯く一花の手を優しく包み込む。顔を赤くしながら桜士を見た一花に、桜士は微笑みを浮かべながら言った。

「気を落とさないでください。悪いのは僕です。無理に勧めてしまったので」

「い、いえ。本田先生は何も悪くありません。悪いのは私で……」

また申し訳なさそうな顔をして俯いていこうとする一花に、桜士は言った。

「四月一日先生の心が落ち着いたら、今度二人でここのパフェを食べに来ませんか?僕はその時まで楽しみに取っておきます」

「本田先生……」

一花の瞳が潤んでいく。桜士が包み込んでいる手が、微かに震えていた。一花は鼻を啜りながら何度も頷く。デートの約束を取り付けられたことに、桜士は喜びを感じながら一花の手を握り続けた。

「私、誰かと二人きりでお出かけなんてしたことがないんです。だからその日が楽しみです」

そう言いながら笑った一花の瞳からは、まだ涙が零れ落ちている。宝石のように煌めくその雫を、気が付けば桜士の指は一花の頰に触れて拭っていた。
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