【短編】隣の席の田中くんにはヒミツがある
「どうしよう……本当に好き」


 今までも好きだったけれど、積極的にアピールなんて出来ないし、あんなにカッコイイ田中くんに私なんか釣り合わないと思ってた。

 だから、見ているだけで良いって……そう思ってたんだ。


「でも……」


 でも、もう無理。

 見ているだけじゃ嫌。

 もっと田中くんと話したい。

 またさっき見たような笑顔を見たい。

 そんな欲が出ちゃうくらい、好きって気持ちが大きくなってる。


 私じゃ釣り合わないって正直今でも思う。

 でも、このまま見ているだけで終わりたくない!

 明日からもっと田中くんに話しかけてみよう。


 私は両手で握りこぶしを作って立ち上がり、そう決意した。
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