キミと絶対秘密の配信中!
「蒼くんは?」
「ごめんなさい。用事で少し遅れているらしくて。もう、あの子ったら――」
そうだった。今日は真智さんの息子さんも顔合わせにくる予定だったのだ。でもまだそれらしき姿は見えない。
思わずきょろきょろ周りを見回していると、そんな私を見て真智さんがフフっと笑った。
「聞いているかと思うけど、うちの蒼は柚里葉さんと同い年なのよ。人見知りしない子だから、きっとすぐに打ち解けられると思うわ」
(人見知り、しないんだ。私と正反対。陰キャで地味な私と正反対の男子……そんな陽キャと仲良くなれる気がしないけど)
私の心にはまた雲がかかっていく。でも二人はようやく顔合わせにたどり着けたからか、ホッとした顔で楽しそうに話している。
(パパには悪いけど、なんかもう疲れてきちゃった……。早く帰りたいな――って、ん? なんかこっちを見てる人がいる?)
ため息をこらえながら顔を上げた私は、部屋の入口の向こうからこっちを見ている人に気づいた。その人も私が見ていることに気づいたのか、「あっ」という顔をして、どんどんこちらに近づいてきた。