キミと絶対秘密の配信中!
 私がパパにまっすぐ向けた言葉はどこまで伝わるかわからない。

 パパは私がそんなことを言うと思わなかったのか、目を白黒させて口をパクパクさせているだけだった。

「柚里葉ちゃん……」

 ぽつりと蒼くんが私の名前を呼んだ。

 いつの間にか大好きになっていた蒼くん。

(家族になるから忘れなきゃって思っていたのに……)

 こみ上げる気持ちにつける名前を私はまだ知らなかった。

 でも蒼くんの瞳を見ているとどうしようもなく苦しくて、切なくて――。

「――ごめんなさいっ!」

 私は弾かれたように部屋を飛び出していた。

「柚里葉さん!」

「柚里葉!」

 真智さんとパパが同時に叫んだ。

 その声が聞こえていたけれど、私は足を止めなかった。
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