キミと絶対秘密の配信中!

「ただいま」
「柚里葉ちゃん、ただいま」
「真智さん、蒼くん。お帰りなさい」

 この日の夜は、真智さんと蒼くんが一緒に帰ってきた。ちなみにパパはまだ会社にいる。

 相変わらず髪と伊達メガネで顔を隠した私は、一人で夕飯を食べ終わったところだった。

 でもそれを聞いた蒼くんは――

「そっか……俺が帰ってこないと柚里葉(ゆずりは)ちゃんは一人なんだ」

 そう言って、シュンと眉を下げた。
 子犬みたいにしょげた蒼くんに、私は慌てて言った。

「だ、大丈夫っ! それに蒼くんも、モデルの仕事があるんでしょ?」
「でも今日は違うし……」

 なかなか蒼くんの落ち込みは回復しない。でも私の頭の中にぽこんと「?」が浮かぶ。

「『今日は違う』って……蒼くん、モデル以外に何かしてるの?」
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