キミと絶対秘密の配信中!
「もし中にいるのがつらくなったら、私駐車場で待っているから戻って来てちょうだい」

 真智さんは私の事をとても気遣ってくれる。

(それに優しいし、かわいいし、蒼くんと同じように話しかけてくれる……。もしママが生きていたらこんな感じだったのかな、って思っちゃう)

 私はルームミラー越しに真智さんを見ていた。
 今日の真智さんはラフなスウェットにロングスカートを合わせたカジュアルスタイルなのに、とてもおしゃれに見える。蒼くんによく似ている姿は、女優さんと言っても納得してしまいそうだ。
 
「……どうしたの、柚里葉ちゃん。他に何か心配?」

 ミラー越しに見ていたのがバレた。私は慌てて誤魔化す。

「あ、いやっ。それより、今日はせっかくの休みなのにありがとうございます」
「いいのよ。でも……前から巧さんは休みの日でも朝から夜まで家にいなかったの?」
「……? は、はい。仕事とか趣味の集まりに出かけてましたよ」

 私の答えに真智さんは少しだけ眉を寄せ、すぐに笑顔に戻った。

「そうなのね。……さあ、もう少しで見えて来るわよ」

 なんだかはっきりしない真智さんの様子だったけど、私はもうそれどころじゃなかった。話しているうちに、私たちの乗る車は塾のある通りに差し掛かっていた。

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