キミと絶対秘密の配信中!
 そこにいたのは相変わらず黒いマスクに真っ直ぐな前髪の女の子。今日は長い髪をハーフツインにしている。白いブラウスのフリルが可愛い。

「あ、あの時の……」

 その姿に、あの日の記憶がよみがえる。
 目の前にいるのは私の靴を傘立てで見つけてくれた子だ。

「うわ……また出た」

 隣から嫌そうな蒼くんの声が聞こえてきた。見れば顔をしかめている。

(二人は知り合いだったの?)

 接点がなさそうな二人を見比べていた私に、女の子は声をかけてきた。

「そして三隅さん、だよね。どーも二度めまして、ミコトです!」

 まるで友達にするような気軽さで、その子は名乗ってきた。

「え、えっと……ど、どうも」

 私が戸惑いながら返事をすると、その子の目元はにっこり細くなった。
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