キミと絶対秘密の配信中!
「た、助かったぁ……」

 私がホッとした瞬間、蒼くんが「プッ」と噴き出した。

「柚里葉ちゃん、声に出てるよ」
「えっ! 嘘!?」

 心の中で呟いたはずが、声に出ていたらしい。

(は、恥ずかしい……)

 かぁーっと赤くなる私を、蒼くんはにこにこしながら見ている。

「ミコトは安心して大丈夫だよ。まぁ、ちょっと変だけど」
「そ、そうなんだ」

 そう返事をしたものの、蒼くんが誰かの話をするって珍しい。

(もしかして、仲良いのかな?)

 私は何だか不思議な気持ちになりながら、小野寺先生が待つ授業ブースに向かった。


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