孤独を生きる君へ
失恋した君へ

私には好きな人がいた。

――國松智樹。

それなりのかっこよさと運動のできと勉強の少しを持ち合わせていた。

センターわけの髪の毛は茶色のような黄色のような色をしていて、少しぼさついているけれどそんなの気にしないくらいに顔がよかったから何も感じなかった。

そして意地悪だけど優しい。そんな性格が女子の中では人気だった。ちょっとしたギャップが女子の群れを呼び寄せ、いつも誰かと一緒にいる。そんな孤独を知らない人だった。

だからだろう。

私がいつも一人だから、いつも必ず誰かと一緒にいる違う世界に住む智樹のことを好きになったんだと思う。

そして淡い妄想もあった。

実は私のことを陰ながら好いてくれていて、付き合ってしまう。でも孤独とは無縁の彼が私と付き合ったことにより、周りの女子たちが怒りを買い、私をいじめたりしてくる。そしたらヒーローのように現れた彼が私に救いの手を伸ばしてくれて、そのままずっとその仲の良さは続いて最後には結婚。

なんてひどい妄想なんだろう。

私がそれの対象になるわけがなかろう。
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