Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~
エレベーターが開きホテルを出てすぐに恭介さんは足を止める。困惑でぼーっと歩いていた私は彼の背中にぶつかった。
「今17時だけど、時間は大丈夫か?」
「あっ帰ってお夕飯の支度とお風呂を入れなきゃ怒られちゃいます」
家の人たちが帰ってくる目安は大体19時。今から帰って準備をしないと。
夢のように楽しい時間というのはあっという間に過ぎ去ってしまう。家に帰ればまた日常が始まる。
「そうか。家まで送るよ」
「えっ、申し訳ないです!まだ暗くないですしここで大丈夫ですから」
街中だから人通りも多いし、帰り道だって大丈夫だ。そう伝えたのに恭介さんは歩き出そうとする。
「あの、でしたら代わりに……この花を受け取ってくれませんか」
代わりってなんだ、と自分の意味不明な発言にツッコミを入れる。私は彼へのお礼として渡そうとしていた花束を今一度前に出す。
「これ、私の花なんです」
「君の花ってどういう意味?」
「私の名前佐々木霞って言います。だから……」
「ああそうか。これは霞草か」
言葉を続ける前に恭介さんが呟いた。まさか彼がこの花の名前を知っているなんて思わなかった。
「今17時だけど、時間は大丈夫か?」
「あっ帰ってお夕飯の支度とお風呂を入れなきゃ怒られちゃいます」
家の人たちが帰ってくる目安は大体19時。今から帰って準備をしないと。
夢のように楽しい時間というのはあっという間に過ぎ去ってしまう。家に帰ればまた日常が始まる。
「そうか。家まで送るよ」
「えっ、申し訳ないです!まだ暗くないですしここで大丈夫ですから」
街中だから人通りも多いし、帰り道だって大丈夫だ。そう伝えたのに恭介さんは歩き出そうとする。
「あの、でしたら代わりに……この花を受け取ってくれませんか」
代わりってなんだ、と自分の意味不明な発言にツッコミを入れる。私は彼へのお礼として渡そうとしていた花束を今一度前に出す。
「これ、私の花なんです」
「君の花ってどういう意味?」
「私の名前佐々木霞って言います。だから……」
「ああそうか。これは霞草か」
言葉を続ける前に恭介さんが呟いた。まさか彼がこの花の名前を知っているなんて思わなかった。