Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~
__朝食から1時間後
私が身支度を整えるのを待っていた恭介さんはリビングのソファに座りテレビを見ながら待ってくれていた。
「お待たせしました!」
彼は頷くと玄関へ歩いていく。その後ろを追った。どこへ行くのだろうかと期待で胸が膨らむ。しかも2人で、と余計に高揚した。
「よし、行くぞ」
玄関のドアノブに手をかけた恭介さんは振り返って言う。その表情は楽しそうだ。つられて口を綻ばせる。
「はいっ」
返事をした途端に彼はドアノブにかけている方とは逆の手で私の手を力強く握った。あ、と声を出す前に恭介さんは歩き出す。
玄関ドアを開くと光に包まれ、眩しくて目を閉じる。引いてくれる彼の手だけを頼りにドアを潜った。
「もう目を開けていいよ」
恭介さんの声を聞いて恐る恐る目を開ければ、そこはもう別世界だった。彼の屋敷は緑に囲まれていたはずなのに私たちは今大都会のど真ん中に立っている。
「えっと、ここはどこですか?え、ワープしました?」
戸惑っている私の様子に恭介さんはくつくつと喉を鳴らして笑う。繋がれた彼の手からつらわる感触がなければ、まだここは夢の中だと錯覚しそうだった。
私が身支度を整えるのを待っていた恭介さんはリビングのソファに座りテレビを見ながら待ってくれていた。
「お待たせしました!」
彼は頷くと玄関へ歩いていく。その後ろを追った。どこへ行くのだろうかと期待で胸が膨らむ。しかも2人で、と余計に高揚した。
「よし、行くぞ」
玄関のドアノブに手をかけた恭介さんは振り返って言う。その表情は楽しそうだ。つられて口を綻ばせる。
「はいっ」
返事をした途端に彼はドアノブにかけている方とは逆の手で私の手を力強く握った。あ、と声を出す前に恭介さんは歩き出す。
玄関ドアを開くと光に包まれ、眩しくて目を閉じる。引いてくれる彼の手だけを頼りにドアを潜った。
「もう目を開けていいよ」
恭介さんの声を聞いて恐る恐る目を開ければ、そこはもう別世界だった。彼の屋敷は緑に囲まれていたはずなのに私たちは今大都会のど真ん中に立っている。
「えっと、ここはどこですか?え、ワープしました?」
戸惑っている私の様子に恭介さんはくつくつと喉を鳴らして笑う。繋がれた彼の手からつらわる感触がなければ、まだここは夢の中だと錯覚しそうだった。