キミの翼が羽ばたく時。
「でも、雫は強いから、自分だけでも生きられるよね。」
お兄ちゃんが小さな手で止めどなくこぼれる涙を拭う。



「大丈夫、私は大丈夫だよ。」
私がそう言ってさしのべた手は、お兄ちゃんよりも大きかった。


いつのまにか幼い私は、現在の私に変わっていた。

「雫、それまでは僕が雫を守るから。」
お兄ちゃんが涙をいっぱいためて瞳で私を見上げる。

「あ…」



「ずっとずっと、守るから。」
お兄ちゃんがニコッと笑い、私の手を引き言う。
「雫、翼、いくわよ~」
懐かしい、母の声。


「いこう!」

お兄ちゃんはそう言うとかけだしていった。


「うん…!」
私はそう言い、かけだしていった。
< 63 / 71 >

この作品をシェア

pagetop