香道部の佐山くんに初めての恋をしました。

◇ひとりぼっち



 転校して三日。

 今だに話す人がいない私は、食堂はやめてお弁当持参することにした。


「ふぁぁ〜……眠い」


 ひとりぼっち弁当だが、毎朝早く起きて作ってるからとてもねむい。話す人いないし、食べながらでもねむくなる。何度も話しかけようって思ったのに全然ダメだったし……


「ねぇ、星野さん」

「……え、私?」

「そうだよ! 星野さんっていう人このクラスにはあなたしかいないもん。あっ、私ね櫻井(さくらい)千咲(ちさき)っていうの!」

「櫻井さん?」

「私のことは千咲って呼んでよ。私も、星野さんのこと香花ちゃんって呼んでいい!?」


 千咲ちゃんは元気いっぱいのショートヘアの女の子だ。ムードメーカーみたいな子だなぁ


「うん、もちろん!」

「よかった〜ねぇ、香花ちゃんのお弁当可愛いね。お母さんに作ってもらってるの?」

「ううん、私が作ってるの……お父さんは外国にいて、お母さんは朝はお仕事に早く出ちゃうから。まだ上手じゃないんだけど」

「へぇ〜そうなんだ! 上手だよぉ〜一緒に食べてもいい?」


 私が「いいよ」と言えば机をくっつけて購買(こうばい)で買ったというパンを食べ始めた。



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