麻衣ロード、そのイカレた軌跡❺/二つの情念、炎上す
その5
麻衣



今晩、中央公園の幕を”無事”下ろすことができた

真樹子さんと私は、この重大局面を遂げたことに、大きな意義を感じあっていた

真樹子さんはよくやってくれたよ

久美を帯同して、鍛えてくれもした

今日、その顛末は直接目にすることができなかったが、まあ、その全容は手に取るようにわかるさ


...


「…今日の出来は我ながら上々だったと思うけど、いつもながら麻衣さんの目利きには感心させられるよ。あの横田がなぜ、あなたをここまでの気持ちにさせるのか…。それ、今日、分かった気がするわ」

「今回の計画での横田の立ち振る舞いを真樹子さんから聞いて、私は改めて決めたわ。横田とは徹底的にやっていく。フン、今日のはプロローグよ、こんなの」

私は低い声で、そう言ったわ

真樹子さんは苦笑いしてたけど…


...



横田は今頃、ベッドの中で大粒の涙にまみれていることだろう

ヤワな奴なら手首切ってるか、気が変になってもおかしくない

それほどの残酷な目に会わせてやったんだ、今日、私たちは…

他の人間になら、これだけやってやれば、十分満足してるだろうよ

いや、むしろ、やりすぎを自省してるかもしれない

だが、ヤツに対しては、こんなもんじゃ物足りないくらいだ

どんどんカッカとしてくるんだよ、横田のことを考えると



...



横田は今日、南部テツヤがスケベな本性をさらけ出してる姿を目の当たりにし、その上、自分を憎む10数人の女を前に、極限の恐怖を味わったはずだ

おそらく、自尊心はズタズタに切り裂かれたに違いない

だが、私はヤツをもっと追い詰めたいという気持ちが、ますますなんだ…

何故かとかそういうの、はっきりとはわからない

だが、運命のようなものを感じずにいられないよ、アイツとは

なら…、今、横田競子が流しているであろう涙は、その定めに従って流れているモノなのだろうか…





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