私に愛を教えてよ





「後から問い詰めても、琉依ちゃんと上手くいってる感じ出してくるから…俺にはもう勝ち目ないんだって思った。」




そういえば朝倉くん、三角関係匂わせとくって言ってたな…。




「拓馬と琉依ちゃんが幸せなら、俺も幸せだって言い聞かせた。でもやっぱり俺は…琉依ちゃんが好き。諦めらんない。…だから、奪いに来た。」




彼の気持ちが私の心に浸透していく。


もう愛想尽かされたかと思った。
ずっと寂しかった。


そう伝えたいのに、安心と嬉しさで涙が込み上げてくるから顔を背ける。


零れ落ちないように必死で堪えてるせいで、思うように声が出せない。




「……………琉依ちゃん?」




何も言わない私を覗き込む。


そして目が合うと一瞬固まり、すぐに私と距離を取った。




< 135 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop